ジビエの現状

全国各地で野生鳥獣による農作物の食害や、山林での皮はぎによる山荒れの被害が年々深刻化しています。
特に被害の大きい地域では、離農や山林整備の放棄を余儀なくされるケースもあり、高齢化や後継者不足と並んでもっとも身近な農林業問題となっています。

長野県も例外ではなく、農林業被害が増加していて大きな社会問題となっています。
現在、長野県には推定10万頭もの鹿が生息しており、県の有害駆除・捕獲も年8,300頭から、25,000頭~35,000頭の3倍以上に増やしました。
平成23年度の長野市の鹿による被害額は1,113万円で、野生鳥獣の侵入によって農作業に遅れが出るなど、数値に表せない被害の拡大が更に予想されます。

被害軽減の手段として、最も有効とされているのは捕獲数を増やす以外無く、捕獲に関しては猟友会会員・農業従事者の方々による罠等での捕獲以外に頼らざるをおえない状況ですが、高齢化や後継者不足、捕獲後の利用方法が無く捕獲数は伸びない現状です。

一方で地産地消への意識の高まりや、地元商材、食材を求める商店の間で野生鳥獣(鹿)を使った料理や加工品を、地域の活性化に繋げる試みや、ジビエ肉を新たな地域資源として見直す動きが出てまいりました。
飲食店においては、ジビエ食材を使うことにより限定的な食材ではなく、メイン料理の食材として多数の店舗で提供していくことが可能となり、県内で捕獲された野生鳥獣(鹿)を加工・販売する事により県外アピールを含めて、観光材料として魅力ある商材と言えます。

それに先駆けて、野生鳥獣(鹿)利用を積極的に考えて下さる皆様(協力会社・飲食店舖)に集まっていただき、ジビエ利用の中心的な役割を担い、農林業被害軽減や、農産村の豊かな自然を守る一助となり、肉の利用はもちろん駆除した命を余すところなく利用する方法を考え、蕎麦と並ぶ新しい名産になることで観光の起爆剤とし、新しい産業の商材としての確立を目指し北信地域の販路拡大と活性化を進める。

新幹線開通に伴って観光客の減少は否めません。食というブランド確立は不可欠だと考えます。